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Garmin Forerunner 610 分解+レビュー編

改めて610をテストしてみた

前回エントリのとおり、返品発送のためにバッテリーを抜くことになったForerunner 610。完全放電して充電すらできないバッテリーセルの代わりに、手持ちの405用のやや劣化気味のセルを仮に接続して、返品する前に簡単なテストを行ってみました。

まずはベルトを取り外して、分解します。

ベルトの取り付けはシンプルで、バネも何も無い一定の太さの金属ピンが差し込まれているだけです。405では一般的な時計と同様、バネで押し広げるタイプのピンが採用されていますが、バネが強くて付け外しが難しく、勢い余って本体側のピン受けを破損してしまうこともあるようです。

610は本体側のピン受けが金属ということもあって、破損の心配はまず無さそうです。ただ、ピンを片方の穴から少し強く押し込むだけで反対側に簡単に抜ける構造なので、頻繁な付け外しは穴をバカにしてしまう恐れがあるかもしません。

Garmin Forerunner 610

ケース内部は、405シリーズには無かったバイブレーターも加わり、かなり高密度です。バッテリー、充電端子、スピーカー、バイブ用のモーターはすべてケース裏蓋に実装され、本体のメイン基板とは極小サイズのコネクタで接続されています。リード線の長さがほとんど最短なので、コネクタを外さない限り裏蓋を完全に開くことができません。分解はまだ簡単かもしれないが、組み立てがやっかいなパターンです。

Garmin Forerunner 610

詳細はあえて伏せておきますが、バッテリーセルは405のものと同一メーカーながら型番の異なるものでした。405に使われているセルより物理サイズが小さく、その分、容量も少なくなっています。カタログスペックでトレーニングモードでの稼働時間は405と同じ8時間ですから、バッテリー容量の減少を十分に補えるほどの省電力化を達成したということになります。バッテリー容量を減らすと、充電時間も短縮できます。

電力を食いそうなパーツと言えば、プロセッサ、GPSチップ、ANTチップ、液晶(主にバックライト)あたりでしょうか。確認してはいませんが、プロセッサに1世代新しいプロセスルールの製品を採用したというのが、最もありそうな話に思えます。SiRFStarIVも省電力化に貢献しているはずですし、タッチセンサーを備えた新しい液晶も、たぶん消費電力の削減に配慮した製品なのでしょう。後述しますが、バックライトが暗いのも、おそらく省電力のためだと思います。

もっとも、実際の話の順序は逆だと言うべきかもしれません。パーツの省電力化が積み重なり、全体の消費電力が劇的に下がった。その結果として、バッテリーの容量を減らすことができた。そう考えると、バッテリーの容量を維持して稼働時間を延ばす選択肢も当然あったわけですから、610では従来機種に比べて稼働時間を増やすより、僅かでもケースサイズと重量を削るほうを選択したとも言えます。

これはGarminが、Forerunnerのランナー向けシリーズ(400番台、600番台)については、トレーニングモードでの稼働時間は8時間で十分だと考えている証拠です。ウルトラなど耐久系レース志向のランナーは、今後の後継製品を待つよりも、素直に310XTなどのトライアスリート向けモデルを選ぶほうが幸せになれるでしょう。

取り外したバッテリーの電圧は、2.69Vまで下がっていました。放電終止電圧を下回り、あと一歩でバッテリーの機能が失われそうな、ぎりぎりの水準です。610で充電できないことは分かっているし、もしかしたら、すでにアウトかもしれません。放電がさらに進むかもしれませんが再充電も面倒で、とりあえずジャンク箱に放り込んでおきました。

さて、残った610に劣化した405用のバッテリーセルを接続し、ちょっと無理やり気味に裏蓋を閉じます。どうせテストの間だけですから、構いません。少なくとも正常に電源が入り、しばらくの間だけ動作すればOKです。期待した通り、電源は入りました。フューエルゲージのアイコン表示は、残量70%ぐらいです。下手に100%と表示されるよりも、ずっと信用できます。


液晶の見やすさを比較

入手当初に撮り損ねていた、405と610の液晶表示の比較写真を撮ってみました。

まず、バックライトを点灯していない状態から。405に存在したパネル上部の非表示エリアが無く、無理なく3段表示できています。ただ以前にも書いたとおり、表示エリアの直径は、視覚的にも405よりやや小さく感じられます。表示品質は、コントラストが高くエッジもくっきりして視認しやすいものです。

Garmin Forerunner 405 & 610

バックライトを点灯してみます。405は非常に明るいのに対して、610はたいして明るくなっていないのが分かります。バックライトの明るさのカスタマイズは、どちらの機種もできません。この明るさで固定です。
訂正します。少なくとも405は明るさを調整できることに気付きました。(デフォルトの明るさに不満が無いので、真剣に設定を探したことが無かったのでした。) 405はデフォルトで100%です。610の明るさも変更できる可能性がありますが、この記事を訂正している現在は実機が手元になく、デフォルトで何%かは分かりません。
Garmin Forerunner 405 & 610

普段PCモニターの輝度は暗めに落とす私でも、Forerunnerは405ぐらい明るいほうがありがたいと感じます。でも実際にバックライトが必要になる暗闇の中では、もしかしたら610ぐらいの明るさでも十分に実用的なのかもしれません。

バックライトを点灯する操作方法も、405とは異なります。405ではベゼル上の2点を同時にタッチすると、バックライトが点灯します。とても使いやすいのですが、湿度が極端に高かったりすると、他の操作との誤認識や誤動作によって勝手に点灯してしまうことも、たまにあります。

610は左上のパワーボタンと兼用のボタンを押すと、点灯します。(普通に押せばバックライト点灯、長押しでシャットダウンの確認ダイアログ表示。) 誤操作が無く確実ですが、実際に走りながら使うと左上というボタンの位置が、私にはちょっと押しづらく感じられました。慣れの問題かもしれませんが。


GPS性能を比較

トレーニングモードに切り替えて直後の衛星捕捉を完了するまでの時間は、全く同一の条件で405が短いことも610が短いこともあり、評価が一定しません。いずれも、建物による遮蔽具合や周囲の電波状況といった条件によって、速くても十数秒は掛り、遅いときは5分待っても終わらないことがあります。同じ場所での2回目以降は試していないので評価の対象外ですが、今回の試用で衛星捕捉の速さを実感することはできませんでした。

405と610を同時に装着し、ログを採取してみました。時計を2個も付けて走るのは、ちょっと馬鹿っぽい。馬鹿を悟られないように、何気ない素振りで走ります。(笑) まずは、建物の密集した都市部からスタート。405、610のいずれも衛星の捕捉が完全に終わるのを待ってから、移動を開始しています。

実際に移動したのは、こんなルートです。わざと、狭い路地も通ってみました。

ike_000a.jpg

参考までに、同じ場所の航空写真です。ごちゃごちゃしてますね。

ike_000b.jpg

405のログです。

ike_405.jpg

大きく外すことはありませんが、絶えず10m程度の誤差が生じて、ヨタヨタしています。衛星方向の建物の高さや路上のちょっとした位置の違いで、座標上の位置が頻繁にずれてしまうのでしょう。そのわりに、狭い路地でも衛星を見失わないのは、見事です。

次は610のログです。

ike_610.jpg

スタートの位置がずれてしまったのは、405でも時々あることでアンラッキーですが、ヨタつき具合も405とあまり変わらないように見えます。ビルの陰の遮蔽は、さすがにどうにもならないということでしょうか。

別の場所のサンプルを示します。まず実際のルートと、航空写真です。

oji_000a.jpg

oji_000b.jpg

405のログ。

oji_405.jpg

そして、610のログ。

oji_610.jpg

うーん。どっちもどっちでしょうか。振れ幅は似たようなもので、405と違って610が左手の建物を突っ切っていないのは、単なる偶然でしょう。

高度のログにはけっこう違いが見られました。ルートラボで実際のコースを引くと、高度はこんな具合に遷移します。

hight_000.jpg

これが、405では次のようになります。

hight_405.jpg

まったく、少しも、全然、あてになりません。(笑)

610では、こうなりました。

hight_610.jpg

どうでしょうか。正確とは言えないまでも、405よりはマトモに見えませんか?

ただし、ちょっとしたトリックもあるので、注意が必要です。実は405のグラフと610のグラフでは、スケールが一致していません。この範囲にプロットされている高度の値は、ルートラボの2m~30mに対して、405が0m(実は一部マイナス15m)~100m、610が10m~110mぐらいです。ごく短い区間での誤差は610に分がありますが、全体の誤差を見ると大差が無いとも言えます。

また短い区間での異常値には、後からの高度補正が有効に効きます。たとえばGarmin Connectで高度補正を「あり」にすると、405も610も穏やかなグラフになります。

この地点の、Garmin Connectによる405の高度表示です。元データの高度、あれはいったい何だったの?というぐらい変わっています。

garmin_connect_405.jpg

こちらは610。正しいかどうかは別にしても(でも、精度はかなり高いと思います)、405とほぼ同じに見えるでしょう?

garmin_connect_610.jpg

この高度補正アルゴリズムをファームに搭載してしまえば、デバイス上でも少しは信頼できる高度データが得られそうな気がするのですが、無理なのでしょうか。リアルタイムが不可能なら、遅延処理でもいいと思うのですが。

それから、ログでは405、610のいずれもかなり右往左往していますが、トータルでの距離の誤差は、意外にもさほど大きくありません。ルートラボ表示で10.5km、405で10.7km、610でも10.7kmでした。いずれも2%程度の誤差ということになります。

もうひとつ、見通しの良い場所でのデータをご紹介します。

まず、実際のルートから。

ara_000a.jpg

説明するまでもないとは思いますが、コースがクランクしているのは、主要道との交差点を迂回するために、いったん土手から河川敷へ下りて橋をくぐるルートを取っているためです。往復なので、同じ場所を2回通ります。

ara_000b.jpg

405のログです。

ara_405.jpg

次に610。

ara_610.jpg

610では、往路か復路のどちらかで(実際には復路で)北西方向へ数メートル、ずれてしまいました。一度ずれるとしばらく同じ方位に同じ距離ずれたままになる現象は、405でも時々見られるもので、別に610に限ったことではありません。とはいえ、610でもこの事象は発生しうるということです。

また、ずれたのが往路でなく復路だというところも、少々気になります。往路が終わったところで止めて衛星捕捉をやり直したわけではなく、往復を連続して計測しています。つまり、折り返しで精度を落としてしまい、あとはずっとそのままだったということです。

これらの結果を見ると、610で新たにSiRFStarIVを採用してGPS性能が著しく改善したとは、残念ながら言えません。少なくとも、405や410のオーナーがわざわざ買い替える理由になるほど、610のGPS性能に顕著な進歩が見られるわけではないようです。

410でアルゴリズムを見直したという消費カロリー計算機能についても、405との有意な差を見出すことはできませんでした。たとえば上記の10.5kmコースの合計消費カロリー量は、405で652kcal、610で634kcalと、ほとんど変わりません。ただし、これは心拍数130~150という低い運動強度での数値であって、条件によってはもっと大きな違いが出るのかもしれません。


結論

GPSなど基本的な機能や性能を見る限り、400シリーズと610との間に大きな差は無いと断言してもよいと思います。結局のところ、610を選ぶべきかどうかは、このルックスとタッチパネル(タッチスクリーン)の操作感が欲しいかどうかに尽きるでしょう。これについての私の、どちらかというとやや懐疑的な見解は以前のエントリに書いたので、ここでは繰り返しません。実際に走りながら使ってみて、操作しにくいと感じることはないにせよ、前記の見解を覆すほどのメリットは、やはり感じられませんでした。

ただ、610のバイブレーターは気に入りました。ラップ通知などのアラートが、音だけの405よりもずっと確実に分かって、なかなか便利です。さらに携帯電話のように振動パターンを細かくカスタマイズできるようになれば、もっと便利に使えるんじゃないでしょうか。シャットダウン機能も405には無いポイントで、羨ましい機能です。610に新搭載のVirtual Racerは・・・ストイックなレーサーでも無い自分には関係ないか。(笑)

現状のラインアップでは、私にとっては400シリーズ最上位の410がベストチョイスと言えます。コストパフォーマンス重視なら(もし買い直すとしても)405でも十分かもしれません。でも贅沢を言うなら、410にバイブレーターを追加しただけのような、タッチベゼル操作の400シリーズ後継機種が欲しいところです。



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