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コピーと偽物

Vibram Five Finger Shoes


Vibram Five Fingers Shoes

2010年、ホビーランナーの間で流行ったもののひとつに「裸足ランニング」がありました。関連書籍が話題になり、ランナー誌でも取り上げられたので、実践してみたという方も多いかもしれません。

裸足ランニング-世界初! ベアフット・ランナーの実用書
 吉野 剛 (著)


BORN TO RUN 走るために生まれた ~ ウルトラランナーVS人類最強の"走る民族"
 クリストファー・マクドゥーガル (著), 近藤 隆文 (訳)


そんな状況のなかで、大きく売れ行きを伸ばしたであろうグッズが、Vibram Five Fingers Shoes・・・ビブラムの五本指シューズです。

このVibram、個人的にちょっと興味はあったものの、街のスポーツショップでも楽天などでも見かけたことが無く、半ば忘れかけていました。独自に輸入しているショップがあるらしいということは知っていたのですが、国内では細々と売られていた感があります。

ところが、年明けにたまたま訪れたアートスポーツの店頭で、大々的にプロモートされているではありませんか。値段は、見かけによらず1万3,000円台~1万5,000円前後とそこそこ高めで、あまり値引きもしていない様子。調べてみると、どうやらごく最近になって"正規代理店"が活動を始め、2011年1月から輸入販売を開始することになったようです。そして、その代理店の商品取扱店舗として、アートスポーツとOSHMAN'Sの名が挙がっています。なるほど。

Barefootinc Japan株式会社(代理店)
 ビブラムファイブフィンガーズの日本における再発売についてのプレスリリース


「宮里藍選手も愛用している・・・」で始まるリリース文や、「様々なスポーツでのパフォーマンスが向上」と謳うわりに機能やメカニズムの説明が全く無いところなど、ややオカルトグッズ的な気配も漂います。サイトでは直販もしています。当たり前ですが"代理店希望小売価格"で、市販の価格帯とも差がありません。

正規代理店以外の流通は、どんな具合でしょう? "Vibram" でググるだけでも、amazonや楽天を含めて、多数のショップがヒットします。なかでも目に付くのは、30%から50%以上もの大幅なディスカウントに加えて送料無料までも提示する、激安通販サイト。日本語に絞っても、いくつもの激安サイトが検索結果のかなり上位に表示されます。(理由は後述しますが、激安サイトのリンクは開かないほうがよいと思います。

この商品、内外価格差が大きいのでしょうか? どうも、そういう訳ではなさそうです。海外の有名大手スポーツチェーンなどを調べても、日本に比べて安いのはたしかですが、激安というほどではありません。(このお店は、残念ながら日本に発送してくれません。) その一方で、あらゆる言語で激安サイトが活動しています。つまり、国や地域を問わず「定価に近い商品」と「激安商品」の2種類が売られているわけです。

もうひとつ、興味深い事実があります。Vibram Five Fingers Shoesをメインに扱い、かつ大幅値引きを提示する通販サイトは、必ずと言っていいほど、会社に関する詳細な情報を掲示していません。問い合わせページにあるのは、メール送信フォームか、せいぜいメールアドレスだけ。運営会社の所在国や住所、電話番号はもちろんのこと、会社名すら書かれていないサイトばかりです。

ページは日本語でも、IPを調べると米国だったり、パナマだったり。それは良いとしても、機械翻訳の不自然な日本語そのままの商品説明や、日本国内では普通使われない奇妙な日本語フォントのページもあります。きちんとした日本語で、見た目もごく自然な激安サイトもあるので、余計にたちが悪いのですが。また、別々の2つのショップなのに、カートや送料などのショップ機能をたどってゆくと、なぜか同じリソースに辿り着くケースもありました。運営主体が実質的に同じなのでしょう。ますます、怪しさ全開です。

極め付けとして、これらのサイトは軒並み、セキュリティが疑わしいこと、この上ありません。リンクを開こうとすると、McAfee SiteAdvisorが「潜在的なセキュリティ脅威が見つかりました」と警告してきたり、プラグインのWOT(Web Of Trust)が「信頼性、業者の信頼度、プライバシーの安全性が全て最低ランクの危険なサイト」としてブロックしたりします。他のセキュリティソフトも、おそらく同様でしょう。

信頼性が低いと評価されていても、商品を送ってくればそれで良いかもしれません。あえて紹介はしませんが、Vibramのショップサイト以外で、信頼性の評価が低くても現実には問題ないと思われるサイトも、無いわけではありません。が、ここまで低い評価ばかり連ねられたら、詐欺を疑うのが普通ではないでしょうか。

もっと危険なのは、マルウェアやバックドアを仕掛けられたり、クレジットカード情報やその他の個人情報が盗まれ、横流しされるリスクです。詐欺よりも、むしろこちらの可能性のほうがずっと大きいと私は思います。

ところで、日本語で紹介している記事を見かけないので、日本ではあまり知られていないのかもしれませんが、Vibram Five Fingers Shoes は偽物が世界中で横行している商品です。具体例は挙げませんが、UGGのシューズも同じ状況です。

ビデオでVibramの本物と偽物の比較をしている人がいますので、紹介しておきます。



ベルクロやかかとの部分の素材が異なることや、ソールのパターンの仕上がりが異なることを指摘しています。しかし、箱やタグ、ブロシェなどを含めてかなり正確にコピーされているので、一見しただけでは見分けが付きそうにありません。

もう一例。



偽物の「ブラック」が本物に存在しないカラーであることや、素材の違い、仕上げの違いに加えて、サイズが違うことも紹介されています。このビデオによれば、本物だと42サイズだが、偽物は43サイズでも小さすぎてフィットしなかったそうです。

ちなみに中国の業者向けBtoB(卸売り)サイトを調べると、Vibramの偽物と思しき商品が、ホールセール(大量ロット販売)価格では$20ぐらいから販売されています。激安ショップで売られているのは、おそらく、この手の商品でしょう。eBayやYahoo!オークションでもVibram Five Fingers Shoesを見かけますが、売り手が個人でない場合、偽物の疑いが濃いと思います。

ところで、英語のブログ記事や投稿サイトのスレッドを見ると、Vibramの本物と偽物について、いろいろな議論があるのが分かります。よくあるのが、偽物でもちゃんと使えるのなら問題ないという意見。耐久性などの品質に差があり、本物のほうが良いという反論も見かけます。

本物だって中国製だ、という指摘もあります。おそらくその通りでしょう。本物を受託生産する工場が、余剰の材料やQCで撥ねられた部品に別の部品を組み合わせて作った製品を横流ししたり、本物の工場をドロップアウトした元社員が別の工場で偽物を作ったりするのは、他の中国製コピー商品でもよくあるパターンです。

また、製造コストに比べて販売価格が大きく乖離している(ように見える)ものほど、偽物によく狙われます。パワーバランスのリストバンドしかり、Knogのライトしかり。そのような商品は、偽物が安いというよりも、むしろ本物が高過ぎるとも言えます。Vibramも、競合製品が無いのをいいことに高い値付けをしている好例かもしれません。

しかし問題なのは、それが無印のコピー商品として売られているのでなく、Vibramとして売られていることです。少なくとも売り手のサイトにVibramと明記され、しかも送られてくる商品にもVibramのタグが付いている以上、疑ってかかる以外に、それがVibramでないことを消費者が知るすべは無いのです。

Knog似のライトも、もしKnogのロゴ入りの箱に入っていたなら立派な偽物でしょう。しかし、実際にはどこにもロゴが入っていませんし、販売しているDealExtremeも、Knogとは一言も書いていません。微妙な違いですが、買い手にとっては大きな違いです。なぜなら、価格がKnogと異なる理由をはっきりと知ることができるからです。

もっとも、コピー商品には抵抗を感じる人も多いでしょうし、個人的にも、どこまで許容できるかはモノ次第という側面もあります。ただ、コピー商品に対する感覚が、中国人は(かつての日本人以上に)相当いい加減おおらかなのも事実のようです。少なくとも、コピー商品の製造が「悪い」という感覚は、全くと言っていいほど、無いのではないのでしょうか。

例えば、北京汽車の「BC301Z」。これがいかにメルセデス似であるかを知るには、写真を見るだけで十分です。

BAIC-BC301Z.jpg Mercedes_class_B.jpg
北京汽車 BC301Z ・・・ VS ・・・ Mercedes-Benz Class B


「メルセデスBクラス」として売るのでない以上、メルセデスのロゴはどこにも入っていません。しかし、ロゴを見なければ気付かないぐらい、外見はそっくり。もしかしたら使い勝手や性能も、大して違わないのかもしれません。何といっても、これを造った北京汽車自身が、中国におけるメルセデスベンツの事業パートナーなのですから、誰よりも本物を深く研究した成果のはず(笑)。(「CクラスとEクラスでは協業しているが、Bクラスは対象外」とメルセデスはコメントしているのだそうですね。)

激安Vibramの話が、あらぬところまで脱線してしまいました。

Vibramについては、何を買うか、どこで買うかを、慎重に考えたほうが良さそうです。値引きは期待せず、それなりの価格で正規品の安心を買うのも良し。偽物を承知で安く買うのも自由です。(でも税関で見破られたら、没収ですよ。) しかし、安さと引き換えにクレジットカードを不正利用されるリスクまで冒すのは、さすがにどうかと思います。

実はDealExtremeも、Vibramのコピーと思われる商品を(ついでにUGG似のスニーカーも)扱っています。DealExtremeらしく、VibramともFive Finger Shoesとも、どこにも謳っていません。そして、これまでの実績から、DealExtremeは小売業者として一定の信頼が置けると私は考えています。何ならクレジットカード番号を渡さずにPayPalでも買えますし、価格も他の激安サイト以下。もしあえてコピー品を買うのなら、今のところは、ここがベストかもしれません。

※DealExtremeは、クレームが付くとすぐに取り扱いを中止してしまう傾向があるので、いつまでこの商品の販売を続けるかは分かりません。


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  コメント


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勉強になりました

Vibramというシューズと、そのコピー商品を取り巻く
怪しげな世界を論じられた記事、読み応えがありました。
個人情報を詐取される可能性があるとすれば、穏やかでは
ないですね。。
シューズ自体は動きやすそうで興味を引きますが、
なかなか高価ですね^^;
ホンモノの製品に割高感を感じるあたりが、コピー商品
が暗躍する余地があるのでしょうね。

ocean810 | URL | 2011年01月11日(Tue)22:34 [EDIT]


oceanさん、長い文章をお読み頂いて、恐縮です。

ご指摘のとおり、興味深いシューズです。販売トークの受け売りをするなら、これで走ると接地位置がフロントに移動して、普通のシューズでは使わない筋肉を使えるようになるそうですよ。たしかに、人間と他の動物の足の構造を比較しても、フォアフット走法には一理あるという気がします。ですが、Vibram正規品は、やっぱり少々高価ですよね。

記事ではコピー品を擁護しているかのように受け取られかねない書き方もしていますが、本当は、単純なコピーや、まして偽物でなく、正々堂々と張り合える競合製品を開発して欲しいところです。

macnuts | URL | 2011年01月12日(Wed)01:50 [EDIT]


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| | 2011年05月25日(Wed)23:21 [EDIT]


Re: こんばんは

○い○○さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

自分で試していないので真相は不明ですけど、ヤフオク等の安いやつは(明らかに個人出品のものを別として)おそらく偽物だろうと、私なら、そう判断しますね。(偽物=価値が無いものかどうかは、また別の問題です。)

Vibram FFシューズも面白い商品ですけど、さらにプリミティブにベアフットに近い、こんなものに、最近は興味を惹かれてきました。

invisible shoes
http://www.invisibleshoe.com/

有名なTaruhumaraのサンダルのキットです。

これを作ったサイト運営者(販売者)の話を読むと、Vibramが自分の足の指に合わなかったことがきっかけで自分用に作り、それを見た大学の友人に頼まれるまま大量に作るようになって、その友人たちのひとりに勧められたことがきっかけになって、とうとうサイトでの販売を始めたのだそうです。

私の足の指も平均的な形から相当外れているみたいなので、Vibramよりも良いのではと・・・。(笑)

DIYでの制作手順がサイト上で説明されているほかYouTubeでも公開されていて、無理にキットを買わなくても、似た材料さえ揃えれば自分で作れそうなところも、GOODです。またDIYキットでなく製作をオーダーメイドすると、その販売益の10%がタラフマラ子供医療基金に寄付されるとのこと。この際、ちょっと贅沢にオーダーメイドしちゃっうのも良いかもしれません。

macnuts | URL | 2011年05月26日(Thu)21:50 [EDIT]


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