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大ドジの巻(続き)

arakawa_032.jpg

やっかいな左手の小指

肩甲骨と左手の骨の粉砕をやらかしてから、2週間が経過しました。相変わらず、三角巾+バストバンドと添木+包帯の重装備で両手不如意な状態ですが、こっそり三角巾を外して書いています。^^;

前回書いたとおり、3つに割れた右の肩甲骨は手術せずにそのまま固定します。(こういうのを "保存的療法" と呼ぶのですね。) 同様に、左手も手術しません。手術せずに固定するということは、基本的に骨は骨折したときの形のまま、つまり変形したまま固まるということを意味します。(少なくとも私が掛かっている整形外科では、手術以外の手段で骨の位置を元に戻すことはしませんので。)

担当医師の話を信じるなら、骨折した形のままでも、肩甲骨には機能上ほぼ何の影響もありません。しかし実は、左手は若干ながら、形状の変化が機能にも影響を与えます。

骨折直後の左手のレントゲン写真です。どこを骨折しているのか、一見して分かりにくいと思います。

D0000254.jpg


骨折している箇所を丸で囲みました。

fracture_000.jpg

2枚目のほうは1週間後ですが、変形の様子は全く変わっていないように見えます。小指の根元の骨(=第5中手骨)、関節から少し離れた箇所(=頸部)が、内向きに折れ曲がって(=転位して)います。また、写真は平面なので分かりませんが、垂直方向にも手のひらの方向に曲がっています。

中手骨頸部骨折。通称「ボクサー骨折」。手を握った状態で軸方向に強い外圧が掛かると、ここを骨折しやすいのだそうです。

こんなことが書かれた文献を見つけました。

日常診療において手の外傷は多く、それゆえ安易に扱われやすい。しかし、その治療結果は必ずしも良くなく、拘縮や変形治癒のために重大な機能障害を残す患者も多数存在する。

(引用元:「手指骨折の治療」 担当 相木比古乃、土田芳彦



「拘縮」とは関節可動域が狭まること、「変形治癒」は言葉どおり変形したまま治癒することです。

中手骨頸部骨折の場合、第4(薬指)、第5(小指)中手骨は特に、指を伸ばす筋肉の力よりも指を曲げる筋肉の力が強く、そのため手のひらの方向、つまり内側に向かって曲がる傾向があるそうです。その結果、次のような症状を招きます。

・回旋転位と短縮転位(回旋転位はオーバーラッピングフィンガーとなる)

オーバーラッピングフィンガーとは、指を曲げたときに本来とは異なる方向に曲がり、隣の指と重なることです。第5中手骨の場合、小指が変形して薬指の方向へ曲がります。

私の左手を、右手と比べてみました。(あまりうまく写ってませんが、もう片方の手でカメラを保持しての困難な撮影ですので、ご容赦のほどを。)

hands_001.jpg

左手は大きな内出血の跡があって、全体に血色も悪いです。^^; 問題の小指が、右に比べて左は薬指に掛かり気味なのが、お分かりでしょうか。

見た目でさほど顕著ではありませんが、自分では通常なら当たらないはずの小指の爪が薬指の腹に当たり、妙な違和感があります。また、PCのキーボードを叩くとホームポジションが狂い、Ctrl+Vを押したつもりがCtrl+Cに、Ctrl+CのつもりがCtrl+Xになるので、小指の位置がずれて他の指との距離がおかしくなっていることが分かります。

上の写真に線を引いてみます。この程度の狂いです。

hands_002.jpg

どうでしょうか? PCなら慣れれば問題は無さそうですが、指先の位置や向きにデリケートな場合、例えばピアノやヴァイオリンの演奏だとかなり問題になる気がします。

他には、こんな症状があります。

・背側凸変形
・手を握ると骨頭の隆起消失

私の両手です。

hands_004.jpg

左手には腫れが残っていてちゃんと握れていないせいもあると思いますが、右手のように小指の関節がくっきりと飛び出さず、丸みを帯びて見えますね。見た目の問題ですが、右手に比べるとかっこ悪いです。

これらを改善するには、どうすればいいのか。上の文献の続きです。・・・

手の外傷治療には、このような機能障害を最小限度に抑えるための原則が存在する。

第一に、解剖学的整復を獲得すること。解剖学的整復が得られれば、機能はそれについてくるものである。多少の変形の許容はあるが、著しい角状変形、回旋変形、短縮、筋腱のアンバランスは手の機能を著しく低下させる。しかし場合によっては骨折の不完全な解剖学的肢位を容認し、適切なスプリントと早期運動によって手指全体の機能改善を目指したほうが良い場合もある。

第二に早期運動に耐えられる固定方法を選択することである。早期運動ができない固定方法は不適切である。手指骨折において長期間(3週間以上)の固定は不要であるばかりでなく、治療しがたい関節拘縮を惹起する。また骨折に伴う軟部損傷程度が強いと、数日から1 週間の固定でも、不可逆的な拘縮をきたすことがある。早期運動療法は手の外傷治療の大原則である。

第三に軟部組織損傷を最小限にとどめることである。すでに一次外傷によって軟部組織は相当の傷害を受けている。軟部組織損傷は関節拘縮、腱癒着の最大の要因である。手術によって新たな損傷を加えてはいけない。例えば、早期運動に耐えられる固定法がplate 固定であったとしても、加えられる手術侵襲は症例によっては過大かもしれない。全ての治療法選択は、個々の症例の最終機能を見据えた上でのバランスによって成り立っている。

(引用元:「手指骨折の治療」 担当 相木比古乃、土田芳彦



つまり、まずはできるだけ形を元に戻し、あまり間をおかずにリハビリを行うことが大切で、手術では軟部組織の損傷を最小限にしろ、ってことですね。

別の箇所を引用します。・・・

4.中手骨頚部骨折の治療方法

軸圧によって起こる骨折として中手骨頚部骨折がある(boxer fracture)。第5中手骨が最も多く、次に第4 中手骨が多い。屈曲変形は第2・3 中手骨では15°まで許容される。第4.5 中手骨はCM関節で代償されるので許容範囲が大きく、第4で30°、第5で45°とも言われている。第4中手骨頚部骨折の掌屈変形50°以上、第5中手骨の70°以上の変形でも、痛みや機能障害は残さないが、外観上の変形は著明である。しかし転位の許容範囲は大きいものの、やはり初期治療として可能ならば整復を試みるのがよい。

(引用元:「手指骨折の治療」 担当 相木比古乃、土田芳彦



CM関節とは、中手骨の付け根(手首に近い側)のことです。第2(人差指)、第3(中指)はCM関節が動かないので影響が大きいが、第4(薬指)、第5(小指)は中手骨自体を多少動かすことができる。そこで中手骨に変形があっても多少はカバーできるということですね。

ただし「転位の許容範囲は大きい」けれど「やはり初期治療として可能ならば整復を試みるのがよい」わけです。「整復」とは、骨折した箇所を元の正常な位置に戻すことです。

私の場合は・・・何もやってません。^^;

整形外科で整復する場合は、もっぱら手術という手段を用います。手術か放置かの二者択一です。そして私の担当医は「微妙なところだけど、よほど気になるのでなければ手術は不要」と断言します。つまり、骨折による指の曲がりは「CM関節で代償される許容範囲」にあると判断しているのです。

もし柔道整復師(=いわゆる接骨院の先生)なら、手技を使って整復を試みるでしょう。実際にネットで事例を探ると、整形外科よりもむしろ、こうした骨折の整復を扱った柔道整復師のサイトのほうが多く見つかります。ただ骨折後10日を過ぎるとすでに癒合が始まっているはずですから、私の場合、こうした整復を行うには遅いかもしれません。

ちなみに、柔道整復師による整復について担当医の考えを尋ねてみたところ、懐疑的な言葉ばかりが飛び出してきました。はっきり言って柔道整復師はまともな治療行為の担い手でなくむしろ反医療的だ、そんな姿勢さえ伺える態度でした。柔道整復師と補完的に協力し合ってベストな治療法を探るという医師の話もあるだけに、この反応はちょっと残念。しかし一般には、柔道整復師を敵視する整形外科医が多いとも聞きます。

まあたしかに、骨折に対して的確な整復が行えるスキルを持った柔道整復師は、そう多くないのかもしれません。さしあたり、スキルと経験を持った整復師を私が知らず、短期間で探すための有効な手段も持ち合わせていないということが問題ですね。

もちろん手術するという選択肢もありますが、それはそれで大きな負担とリスクを伴うことが分かっているので、なかなか踏み切れません。もうタイムリミットなのですが。

hands_005.jpg

うーむ。だめだ、こりゃ!

微妙に向きが曲がった、左手の小指。・・・どうなることやら。



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  コメント


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こんばんは

こんばんは。
なるほど、「拘縮」ですか。痛みはなくなっても微妙な違和感が残る感じ
なのでしょうね。私も1年ちょっと前にフットサルで半月板&靭帯を痛めて
「拘縮」が残っています。正座するのが少し怖いです^^;
筋肉系であれば、温熱・電気療法や加圧トレーニングもあるのでしょうが、
macnuts さんの場合「骨」ですから、根本的に直すにはやはり手術なのでしょうね。

ocean810 | URL | 2013年02月07日(Thu)23:44 [EDIT]


こんばんは。

ocean810さんは、半月板と靭帯を痛められたのですか! それも辛いですよね。
私の連れがまさにそのパターンでしたし、私自身も靭帯が危うい状態です。

おっしゃるとおり、「故障」なら何とか元に戻る可能性もありますけど、「骨折」ばかりは、手術でもしない限り、残念ながら絶対に元に戻ることがないでしょうね。
その手術にしても、本当に元どおりになるかどうかは、運と医者の腕次第なのかもしれません。


macnuts | URL | 2013年02月08日(Fri)01:36 [EDIT]


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